クロレラ今昔物語
2016.03.04
記念すべき第1回目は皆さん一度は聞いたことがある?『クロレラ』の紹介です!
クロレラは緑色の丸い形の体をしています。緑色は葉緑素の緑です。大きさは直径0.01ミリほどなので培養液はただの青汁にしか見えません!(笑) 弊社のラボには「Chrorella」という名のついた藻類が何種類かいます。詳しくは書けませんが。
初めに一度は聞いたことがあるかも?と書きましたが、実はクロレラは日本で最初に大量培養に成功した微細藻類で、戦時中には貴重なタンパク源として研究が進められました。ミドリムシがブームになる遥か昔から健康食品として薬局などで販売されていますが、クロレラを食べるのは人間だけではなく、貝や魚の養殖用の餌などでも良く使われています。なんと、あの有名な近大マグロの養殖にも使われているそうですよ!
こういう多面的な利用の要因は、その栄養価の高さによるものです。なんといってもタンパク質が50~60%も含まれているというのは、「畑のお肉」と言われる大豆の約1.6倍もの量になります。その他にんじんにも含まれるβ-カロチンやビタミン類はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、妊婦さんに良いとされている葉酸など、ミネラルはカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄(Fe)、リン、ナトリウム、亜鉛に加え、食物繊維も豊富です。あまりに多すぎて目が回りそうですね!(笑)。
もう一つの要因は、比較的培養がしやすいという点にあります。安定的に生産が行えるというのは、ビジネスを行う上でやはり大きなメリットです。
このように古くから利用されてきたクロレラですが、最近世間を騒がせている藻類バイオ燃料の研究も行われています!つい最近ですが、デンプンやオイル産生能に優れた「Parachlorella」の全ゲノム解読に成功し、更に産生に関与する遺伝子を特定したとの発表がありました。まだオイルをどのように作っているかは分かっていないそうで、この成果によりバイオ燃料生産へ向けた研究が加速していくことでしょう!東大の研究グループの発表です。今後が楽しみですね!
http://biotechnologyforbiofuels.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13068-016-0424-2
さて、こういった数多くの人に役立つ特徴を持ったクロレラですが、私たちの研究室でも「Parachlorella」の作る細胞外多糖(EPS)に着目して研究開発を行っています。その成果の一つが「プレクラン」と名づけられた商品です。プレクランはヘアケア素材としてスカルプローションやヘッドマッサージジェルに使われています。
EPSに関する研究でアメリカの大学との共同研究で進めている分野があり、みなさんをアッと言わせるような結果が得られています。でも、こちらは論文発表を楽しみに待っていてください。準備が整い次第、またこちらでご紹介させていただきます。